ウィルス・細菌

細菌

1.体が膜で仕切られている

 基本構造として細胞壁、細胞膜、細胞質、核など細胞構造を有している

2.代謝を行う

 栄養源や水分が生育に必要

 

ヒトの体内で定着して細胞分裂で自己増殖した細菌は人の細胞に侵入し細胞に障害を与えたり細胞外で増殖し毒素を出して細胞に傷害を与えたりして症状が出ます

3.子孫を残す(自分の複製を作る)

 栄養等があれば自己増殖できます該当

4.大きさ

 ヒトの細胞の10分の1程度(細菌はウイルスの10倍~100倍程大きい)

ウィルス

1.体が膜で仕切られている

細菌のように細胞壁,細胞膜,細胞質,核などの細胞構造はありませんが、ウイルスは遺伝情報である核酸(DNA又はRNA)をタンパク質で出来た殻(カプシド)に包み、一部のウイルスはさらに脂質でできた膜(エンベロープ)で包んだ構造をしており,外界との境界は明確です

2.代謝を行う → エネルギー代謝を行いません

3.子孫を残す → 自己複製を行います

4.大きさ

 ヒトの細胞の100~1000分の1程度

・ウイルスは“微生物”という括りの中には入れられています

ウイルスは生きた細胞の中に入りその細胞から不足している機能をい増殖することができます。

ヒトに病気を起こすウイルスはヒトからヒト、またはヒトとヒト以外の動物との間で感染を繰り返しながら生き(増え)続けていきます。ウイルスに侵入された細胞は破壊され、増えたウイルスは次から次へと新しい細胞に侵入し、細胞を壊しながら増えていきます。そして、破壊された細胞が一定の数以上になると症状が出ます。

抗菌剤(抗生物質・化学療法剤)が効くの?

細菌とウイルスは構造が違うので予防法や治療法も異なります。

予防はそれぞれのワクチンの接種や感染経路の遮断策などです。

細菌の感染症治療には抗菌薬が有効です。抗菌薬は細菌の細胞構造を壊したり増殖する仕組みを妨害したりすることで効果を発揮します。しかし、構造や増殖する仕組みが異なるウイルスには全く効きません。

ウイルスはとても単純な構造なので医薬の標的となる「弱点」が少ないため抗ウイルス薬の開発は難しい。ウイルスはタンパク質の殻に遺伝子が入っているだけの構造で増殖はヒトの細胞内です。このため、ヒトに影響を与えず、ウイルスだけを叩く薬は創りにくいといわれています。

また、ウイルスは形状もサイズも大きく異なるなど極めて多様です。遺伝子もDNAのものやRNAのもの、1本鎖のものや2本鎖のもの、環状になったものや直鎖状のものなど様々なタイプがあるので一剤で多くのウイルスに効く薬剤の開発は難しく個別のウイルスに対する医薬にならざるを得ません。細菌も薬剤耐性菌が生じることがありますが、ウイルスは変異しやすくせっかく開発された薬が効かなくなることがあります。

除菌・殺菌・抗菌・滅菌などの違い

滅菌

菌やウイルスといった微生物の数を限りなくゼロに近づけること

有害・無害を問わず対象物に存在しているすべての微生物及びウイルスなどを殺滅(さつめつ)または除去すること

滅菌前の状態から微生物の数を100万分の1以下に減らすこと

もっとも強力な作用です。

手術用具や注射器など医療器具

殺菌

菌を殺すこと

一部を殺しただけでも「殺菌した」と言えます

医薬品や医薬部外品のみに限られます

除菌

菌やウイルスを取り除いて数を減らすこと(除菌:商業用語)

・スプレーやジェル、ウェットシート、洗剤など

抗菌

菌の増殖を抑える、繁殖を阻止する(抑制する)(抗菌:商業用語)

抗菌の対象を細菌のみでカビ、黒ずみ、ヌメリは効果の対象外

・抗菌加工の施されている製品

消毒

病原性微生物を、害の無い程度まで減らしたり、あるいは感染力を失わせたりして、毒性を無力化させること

医薬品や医薬部外品のみに限られます

静菌

菌をしずめること(菌を殺さないがその増殖を止めること)。対象や程度を含まない概念

防かび(抗かび)

菌(カビ)の増殖を阻止する、繁殖を阻止する対象や程度を含まない概念。(抗カビ:商業用語)